K・SWJ通信 NO.4 2018.9.11 2019.4.4赤字追加
「禊的準備体操の合氣道的な意味と方法」 塾長 藤谷
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今回は、禊技についてのフサさんとのやり取りを通じて、「禊的準備体操の合氣道的な意味と方法」について、考察しました。
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フサさん、カミさんへ
現在、イナ先生が、合氣道探求の源として、私たちに示してくれていた"合氣道の精神"の解読に取り組んでいます。
そして、その解読のためには、イナ先生が、選定された"5つの道歌"が大きなヒントだとの考えに至りました。
5つの道歌の中でも、イナ先生が、一番最初に掲げた
「①氣のみわざ(御業) ②たまの志ずめやみそぎわざ ③みちびきたまえ ④天地の神」が大切だと思います。
①は、合氣道の精神の「武技は、天の理法を体に移し、霊肉一体(氣)の至上境に至るの業であり、」と深く関係し、
④は、「天地の心をもって わが心とし」とほぼ同意味であり、
③は、「自己の使命を完遂することこそ 武の道」「絶対的自己完成の道」「道程」を導いてくださいと希っているのだと考えられます。
解らないのが、②の「たまの志ずめやみそぎわざ」の部分です。
「禊業」はぼんやりとイメージがあるくらいであり、「たまの志ずめ」の部分は、まるで見当もつかない。「たま」は「霊」なのかな、「志ずめ」は「鎮め」なのかな?
この部分について、これらにお詳しいお二人のお知恵を借りたいのです。
お願いします。
モリ拝
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モリさんへ
「たまのしずめやみそぎわざ」の私の解釈は、「霊の鎮めや禊技」としています。神道の行法に「御霊鎮め」があり、自分なりに実践してますが、ネットで調べて簡単に分かりやすく解釈されている部分を見つけました。
『御霊鎮め』とは …自分の魂が離れて弱くならないように、しっかりと自分の中に留める方法
古神道の教えによると …日々の生活のなかで、沢山の心配事や不安を抱えていると、魂が自分の中にドッシリと留まらず、“気” が枯れ、魂の活力が失われていくとされています。
以上の『御霊鎮め』の文章は以下のネットからの引用です。
https://ameblo.jp/la-voix-angelique/entry-12108737900.html
フサより
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フサさんへ
有難うございます。分かりやすい説明でした。ということは、準備体操の最初の禊の部分の「舟漕ぎ」の後の「振り霊」はこの事なのですね。
ところで、その振り霊の次の、「左回し、右回し、左からの上下回し、右からの上下回し」、これは禊では、何と言う名前なのか、教えて下さい。
モリ拝
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モリさんへ
モリさんの研究心には頭が下がります。ところで、
神道の禊の行では「舟漕ぎ」でなく「鳥船」といわれていますね。
鳥船を、参考に下記ユーチューブをひとつの例として提示します。
https://www.youtube.com/watch?v=qsvkRtka-D4
この映像では、研修の素人の集まりと思われますが、先達の声はいいですね。
素人がやる鳥船とベテランがやる鳥船は形と心(祈り)が違ってくると思います。
川面流禊をやっている私の場合は宇宙の氣を回転・吸い込む取り込むイメージで大きく腕を回し行っています。
お尋ねの振り霊からの回転運動は、神道の行法としては無いのでは、と思います。
私の想像の解釈では、
宇宙の氣、天の氣を鳥船で心身に取り入れ、振り霊でさらに鎮めたら、回転運動で合気道の心に転換してゆく過程と解釈します。
「天の理法を体に移す道程」ともいえるでしょう。
禊の神技から合気道の技に変換する道程、とも察せられます。
もうひとつネットで見つかった研究家のHPをお知らせします。ご参考までに
https://plaza.rakuten.co.jp/dagekinoshinzui/9000/
フサより
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フサさんへ
色々な情報をありがとうございます。
【禊的準備体操の合気道的な意味】
開祖が神々との交信の中で、天の理法を手に入れる為に、まず禊ぎを行なわれていた御姿が彷彿としますね。
(1)"鳥船"とは、"神古代の鳥船を舟漕ぎする動作"という風に理解すれば良いということですね。但し、先日、守央道主に質問したところ、「合気会では”舟漕ぎ”と言っている。」ということでした。
また、"振霊"が、イクタマ、タルタマ、タマタマルタマという、ともすれば自分から遊離しそうになる霊を、呼び戻す技だという、説明には、思わず、なるほど!と、膝を打ちました。
K・SWJ通信NO3の3ページの"大御神(大御霊)と分御霊"の図を、見てください。人が、成長し、自我の増大と共に、大御霊との繋がりを、忘れ、細く、切れそうになっている状態を、”振霊="生霊、足霊、玉留霊”を、言霊法と体振法の組合せの技"により、回復し、"分霊ワケミタマ"である事を、しっかりと認識意識することが出来るようになる、のだと思います。
(2)私達の稽古においても、準備体操の冒頭で、”舟漕ぎ”と”振霊”を行なっています。この由来についても、守央道主に伺ったところ「これは開祖が、アトランダムに行っていた動作を、吉祥丸二代道主が、朝稽古の中の準備体操として取り入れた。」事に倣っています。
しかし、懸念されるのは、倣う、模倣する、無意識的に、外形だけを真似することの繰り返しの中で、開祖が天地の神との交信の手段として行っていた多くの禊技の中で、この”舟漕ぎ”と”振霊”を、どういう目的で、どういう意味で、準備体操の冒頭に組み入れかたのか、という事を、私達が、理解しないままで、行っているのではないか、ということです。
絆・勝稲和合塾道場では、この体操=禊技を行う意義と目的を、塾生の一人一人が、しっかりと認識意識しながら、取り組んで行きたいと思います。
そして、稽古の中での、禊技を、より実のあるものにする為にも、フサさんやカミさんのご指導を得て、道場の課外稽古として、禊ぎ行事に、参加させて頂くような企画も実施したいですね。宜しくお願いします。
(3)さて、最後に、残ったのは、鳥船、振霊の次の"霊を掌中に収めた両手を左右、上下に、回す"動作の名称と意味について、です。フサさんも、名前をご存知ないということですが、私も、聴いた記憶が無い無いのです。守央道主にお聞きしても「名前はないる」ということでした。
その意味については、イナ先生が、「合氣○(中に・)」(イナ先生は「合氣の臍ヘソ」と言っておられた)いうASWJ通信の特集版のような中で、本部の故奥村師範の禊動作の説明を引用しながら、解説されていた記憶があるのです。しかし、残念ながら、その特集版が手元に無いのです。どなたか「合氣のヘソ」をお持ちであれば、是非、ご一報下さい。
なお、その記事では、「重ねた手を左右に回す」動作の意味について、「伊奘諾イザナギ、伊弉冊イザナミの夫婦神が、天上から、未だ、泥々の状態である地に、お二人して、棒を握り、挿し入れて、掻き混ぜ、練り固めらている様を、表している」との奥村師範の言葉を紹介されていた、と記憶しています。古事記にもお詳しく、開祖も古事記から、言霊を学ばれたと仰っていた奥村師範のお言葉ですから、大切にすべきだと思います。
フサさんが、「宇宙の氣、天の氣を、回転運動により、合氣道の中に取り込んでいく動作」ではないか、というのは、慧眼だと思います。
古事記には、イザナギイザナミの夫婦神が、練られた棒の先から、垂れた泥が、落ちて最初に固まった、敷島の日本における最初の地が、淡路島だと記述されているようです。
しかし、古事記の時代の人々には、日本の全土も、世界も、地球も、ましてや宇宙も認識されていなかったでしょうから、これを現在に引き直すと、"宇宙空間の混沌としたガスや塵が、大御神の回転運動によって、渦巻き、銀河や星々が誕生する動きと捉えて、天(の神)が、地球という星を作る過程を、表している”と考えることができます。
(4)開祖は、その神の回転運動、渦巻き運動を、神道の禊にも無いにも関わらず、合氣道の稽古に必要な最初の所作の一部として取り込まれた。その目的と意味は、その所作が、振り霊によって、回復強化し活性化された丹田の中の霊氣を、練り込み、練り固め、強固なものとする(“練霊”)プロセスが、必要であり、効果があると、開祖が考えられたからに他ならない、と思います。
(5)この点を、フサさんは見事に、看破されておられると思います。
ただ、凄く厳密に考えると、"左右の横方向の円運動"については、以上で、一応納得したとしても、それに続く"上下の縦方向の円運動"の意味が、直ちには得心できない。
一応の考えではあるが、イザナギイザナミの夫婦神も、棒を左右横方向の円運動だけではなく、上下縦方向の円運動でも、掻き混ぜ練り固められたのではないか、さらに、宇宙の銀河、星の形成も、水平方向だけではなく、垂直方向も合わせた3次元での氣(物質と力)の凝縮(練り固め)があったことを、開祖は覚知されていたのではないか、と考えます。
この動作に、「名前」がないのは、残念ですね。フサさんは、"振霊の一種"ではないか、と仰ってますが、上記のような分析からすると、僭越至極ではありますが、"練霊ネリタマ"という名前を提案します。
(6)そして、更に、開祖の発明者たる所以は、正に"天の理法を体に移す技"として"合氣道の技"を創られた所にあることからすれば、"舟漕ぎ""振霊""練霊"という動作も、心の技だけではなく合気の技を鍛錬するものとして、教示されておられるのだと思うのです。
フサさんは、この点も「天の理法を体に移す道程」「禊の神技から合氣道の技に変換する道程」と表現されていますが、全く同感です。
【禊的準備体操の合気道的方法】
① まず、「霊氣的呼吸法」(K・SWJ通信NO3)を行う。鼻から大御霊の霊氣を頭頂部まで吸い上げて、脳細胞の中で、自分の体内の分け御霊と大御霊を意識的イメージ的に超高速超融合的に、触れ合わせ、核融合的に、生まれる霊氣的エネルギーを、人中路を通して、丹田へと貯め込む。
このことによって、自分の心と身体を霊氣によって統合統一し、"脳と丹田と人中路を活性化"し、振霊によらずとも、かなりの程度まで、分け御霊としての自らの中の大御霊との繋がりを太く強くすることが出来る。
② 次に、「舟漕ぎ」により、エイホーッ、エイサーッの言霊法と氣の土台である脚腰を、要である膝を前後に滑らかに力強く動かす(舟の櫓を漕ぐ動作をする)。この動作で大事なことは、前後運動の時に、腰の丹田をどっしりと構え、拳くらいの太さの人中路を真っ直ぐに立てて、その上に脳を乗せた霊氣的体幹を絶対に斜めにしないことである。
このことによって、合氣道の技の中核的な動きである"物理的な力によらずに、相手方からの物理的攻撃を、物理的反撃によらずに、ゼロ化するという合氣道の三段階メソッドの第1段階あるいは、相手方を崩すという三段階メソッドの第2段階の技の根本的動作である、相手方の体幹(人中路)に、自分の物理的力ではない氣の力を伝導する動き、を鍛錬する。
さらに、どこに向かって舟を漕ぐのか、といえば、大御神の大御霊に辿り着くために舟を漕ぐのだとの意識を持ち、自らの分け御霊としての心身の総エネルギーを全身全霊で振り絞るために、強く激しく、ェイホ-、エイサーの言霊の発声を伴わせて、丹田と正中線を、「振動」させ、「波動」を起こさせ、その「響き」により、愛の力を敵にも及ぼすことが出来るような「武技」に繋げることが出来る。
③ そして「振霊」により、生霊、足霊、玉留霊と念じながら、「霊氣的呼吸法」を行う中で、脳、人中路、丹田の霊氣的体幹の中を、超激しく超高速で、大御霊と分け御霊の混ざり合った霊を、頭頂部と丹田との間を、激しく振り揺さぶりながら、上下させる。
このことにより、ともすれば、切れてしまいそうな自分の分御霊と天地の大御神の大御霊との繋がりを回復させ、天地の心をわが心とすることができる。
さらに、イメージを一歩進めて、「自分の分け御霊と天地の大御霊との繋がりの更に先に、他の分け御霊との繋がり」がイメージできるまで、強く強く振霊することが大切である。何故なら、このことによって、一人一人が、合氣道の原理中の原理である「自他一体」の源力(ソースバワー)を、永遠の核融合反応的愛の力を、自らの心身の中に獲得できるのである。
そして、このソースパワーにより、心身が「振動」し、それが「波動」となって、その波動が、「響き」となって、外形としての技を意識せず、自然な自らの手足の捌きとなって、「武技」として現わされる。
④ った両手を、氣の土台である脚腰を、要である膝を少し曲げて、水平方向に<
⑤ 左方向楕円回転、右方向楕円回転、さらに前後に滑らかに力強く動かすり、、
合氣道で、相手方の物理的力が、自分に及ぶのをゼロ化(三段階メソッドの第1段階)し、更に崩す(三段階メソッドの第2段階)の技の根本的動作として、物理的力によらずに、相手方の体幹に対して、自分の体幹=人中路を、円滑に、"左右前後の水平方向の円運動"と"上下の垂直方向の円運動"を鍛錬する。
モリ拝
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