[NO.2]  片手どり・四方投げ・裏

第1段階.ゼロ化技法

① 相手方が、逆半身で片手取りにくる。
 ※相手方は、力一杯、握り、押し込んでくる。

 

② 「パッ」と手から氣を放つ。取りは、この氣を放った瞬間に、手首の周囲が5mm程伸びて、相手方の攻撃力を弱めることが出来た(「ゼロ化の奔り」)ことを実感すること。
 ※相手方は、取りが気を放った瞬間に、自分の攻撃力が弱まったことを実感して下さい。

 

③ 握られた腕を「手刀」にして、その手刀を、自分の正中線に真っ直ぐに立てて、相手方の正中線に対して、外側へ「舟漕ぎのエイッ!」の要領で、丹田の上に人中路を乗せた体幹を膝の力で、相手方の方向へ押し出す。これによって、相手方の攻撃力が更に弱ることが出来た(「外側ゼロ化によるゼロ化の進み」)ことを実感すること。
 ※「手刀」は、「刀の反り」を保持することによって、円運動によるゼロ化の源となる大切な要素である。決して「肘を曲げてはいけない」、刀が「折れて」氣の力を相手方へ伝達することが出来なくなるからである。
 ※相手方は、自分の攻撃力が更に弱められたことを実感して下さい。

 

④ 後ろ足を継足して、前足を相手方の前足の外側に踏み込み、踏み込んだ足の親指と人差し指の付け根の肉球を支点にしながら、進めながら、正中線とそれに連動させている手刀が、相手方の握り締め、押し込んで来た手腕と、自分の手刀の角度が180度になるまで、外側へ体幹を回転させる。足は継脚する。この瞬間に、相手方の自分に対する攻撃力が不意に消滅する(「入り身転換ゼロ化の完了」)。入り身転換によるゼロ化は、単なる攻撃力の消滅だけではなく、相手方を容易に自由に如何様にも導ける優位な立ち位置を獲得することが出来る。

 

⑥ これが「片手取りに対する第1のゼロ化」である。片手を握り締め押し込んで来た相手方の暴力は、①~⑤によって、「消滅し」「力なく繋がっている腕」となり、自分への影響力はゼロになった。
 ※「相手方から自分に対する暴力の物理的影響力がゼロになった状態を感じられる事」が、自分の武技が「天の理法を体に移し得た」事を覚知できた事なのである。