NO.1    2018.07.18.                 「合氣道の精神」と「合氣道のWHY・WHAT・HOW」

KSWJ通信 NO.1   2018.7.18>2019.3.24修正

 

   「合氣道の精神」と「合氣道のWHYWHATHOW    塾長 藤谷

 

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◆※※さんからの入門希望のメールです。

 

「藤谷先生へ

 初めまして。宜しくお願いします。

 昔から氣や合気道には興味がありました。

 中村天風の本から始まり藤平さん、植芝さんの本も読んだことがあります。

 最近引越しをしたので妻に多くの本を捨てられたので残っているかどうか?

 近くの道場に入門しようかと思って調べたこともありましたが、、、。

 それでも20年以上前に知り合いに紹介され西野流呼吸法には通ったことがあります。

 西野皓三さんは邪道かもしれませんが氣の存在を体感したように思います。

 フル出場は出来ないかもしれませんが頑張りますのでよろしくお願い申し上げます。」

 

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◆私からのご返事のメールです。

 

「※※さんへ

 

よろしくお願いします。

私は、合氣道を究める方向から、藤平先生の影響で、二代目吉祥丸道主も、通われたという中村天風先生の著作に触れたこともあります。

吉祥丸道主は、藤平先生ほどには天風先生のお考えには共鳴されなかったようです。

また、藤平先生は、内弟子になって、一週間目で、「合気道の技について、最も大切なのは、膝の使い方である」と看破されたほどの達人だったと思いますが、惜しむらくは、合気会を離れられました。

私の、そして私の師匠の故稲越薫先生の探求目標は、「開祖が発明された合氣道は何か」ですので、開祖のことを良く知られる藤平先生のことは、良く知りたいと思い、藤平先生の解説書を研究したこともあります。

また、道場の責任者は私ですが、今年82歳で、会長をお願いしている勝田さんは、西野流呼吸法にも通っておられました。

西野さんも、決して、邪道ではない、と思っています。

合氣道についても、開祖が、ある取材記者の「一体合気道の技は、幾つあるのですか?」という質問に対して、「無限じゃ!」と答えられたのですが、私は、合氣道について、「正面打ち入り身投げ、という技は、どういう風にするのですか」というHOWばかりを探求している方が多い現状に危惧を抱いています。合気道は、そういう体の動かし方をしていれば、氣も身体も自然に鍛えられる、という便利な側面を持っていることは事実なのですが、しかし、合氣道の専門家と違って、私達の大多数は、仕事の片手間に、合氣道をやらざるを得ませんから、合氣道のより深い所に到達するためには、HOWだけでは足りない、「WHYなぜ、合氣道という武道を探求するのか」、そして「WHAT合氣道、『合氣道の精神』に基づく武道とはどういう武道なのか」を探求し、その考え方に基づいて、「HOW『天の理法を体に移す』合気道の武技は、どういう風に体を捌き、どういう風に手足を使うのか」ということを理解し、考えながら、稽古することが大切だと思っています。

江戸時代の北辰一刀流の千葉周作は、「考える稽古をする人は、考えない稽古をする人の10倍上達できる」と言っています。

合氣道を探求する二つの柱は、

ひとつが「氣の力を涵養する方法を身に付け・氣を自由に操れる操氣法を習得すること」であり、

もう一つが「合氣道のWHYWHATを探求し、その考え方に基づいてHOWを理解し、考えながら、習得・鍛錬すること」だと思っています。

 

西野先生も、この「氣」の部分について、ウェートをおいて探求された方だと思います。だから、親近性を覚えます。

 

合氣道の中には、氣の涵養の方法や操氣法についての明確なHowの教えが無いのです。合氣道の業を習得すれば、自然に氣の力も身に付く、という言い方もされますが、あまり説得力は無いように思います。

この部分については、むしろ、西野先生の方が探求されているのではないか、と推測しています。

だから邪道ではないのです。

この部分については、私はまだ「考え」「様々な試行錯誤中」であり、部分的には、皆さんにお伝えできるものもありますが、全部が、体系的に、自分の腑に落ちるためにはもう少し時間が必要だと思っています。

私は、合氣道の氣と技の探求のためにも、また一人一人が探求した合氣道を、人生において、社会において、どう活かしていくのか、についても、「道標」となるのは、「合氣道の精神(開祖神示)」だと思っています。

 

絆・勝稲和合塾道場では、開祖が、神=天地の心と交信することにより、神示として得たと伝えられる、この合気道の精神を稽古の始めに唱和します。そして、開祖に肖るために、月初めには、天津祝詞を奉唱します。

 

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開祖神示・合氣道の精神

   合氣とは愛なり。

  天地の心を以ってわが心とし、万有愛護の大精神を以って、自己の使命を完遂することこそ武の道であらねばならぬ。

  合氣とは、自己に打ち克ち、敵をして戦う心無からしむ、否、敵そのものを無くする絶対的自己完成の道なり。

  而して、武技は天の理法を体に移し、霊肉一体の至上境に至るの業であり、道程である。

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以下は、現時点における『私の合氣道の精神についての探求と、それに基づく、合氣道についての到達点のエッセンス』です。

 

WHY合氣道」=「人は、愛=天地の心=万有愛護の大精神に目覚め、(地上天国を実現するという)自己の使命を完遂する武の道(合氣道)を生きるべきである。」

   →『だから、合氣道では絶対に攻撃はしない。だから、合氣道では絶対に相手を傷付けない。だから、合氣道では勝負はしない。』

 

WHAT合氣道」=「自己に打ち克ち、敵をして戦う心無からしむ、否、敵そのものを無くする絶対的自己完成の道なり。」

   →『人間は、相手から攻撃されたとき、反(対攻)撃することによって、自己の安全を守ろうとする自己防衛本能を有している。この相手方を攻撃しようとする自己の本能に打ち克つ、強い意識を持った自己を形成し、』

    『相手方に対する攻撃をしないで、相手方の攻撃を防ぎ、相手方を制御することによって、相手方の攻撃意識を止めさせ、さらには自他一体の境地に至る心と技の完成を目指しなさい。』

   

HOW合氣道」=「武技は天の理法を体に移し、霊肉一体の至上境に至るの業であり、道程である。」

  →『自他一体という天の理法を体に移す武技』とは、『まず第一段階で、相手からの攻撃の

   力をゼロにし(ゼロ化)、次いで第二段階で、相手方を崩し、最後に第三段階で、相手方を

   コントロールすることによって、攻撃をせずに、敵の攻撃を止めさせ、「自他一体」の境

   地に導く、という"三段階構造理論"を体現する技法である。』

   →『合氣道のすべての技(どのように体を捌き、手足を動かすか)は、上記の三段階構造理論に基づいて、その理論的技法に適うように、行われるべきである。』

     →『この三段階技法の中で、合氣道の精神との関係で、最も重要なのは、第一段階のゼロ化

        技法です。これをマスターすれば合気道の技の8割は身に着けたと言って良いと考える。』

   これは、実演で示します。追々、代表的な合気道の技について、この三段階技法での当て嵌

   めを、写真と言葉とで、解説していきたいと考えています。

  

       そして『霊肉一体』こそが「氣」であり、『霊肉一体の至上境』が「合氣」であり、『霊肉

     一体の至上境に至るの業であり、道程』が「合氣道」だと思うのです。

 

 「氣」には、肉体的物理的要素と精神的霊的イメージ的要素があり、この二つが分かち難く、一体となったものであるがゆえに、これを身に付ければ、凄い力、凄いエネルギーになると考えていますし、ある程度の実感実体験もあります。

  この点について、西野式呼吸法でヒントになる点があれば、是非ご教示ください。

 ※※さんのメールに啓発されて、合氣道の阿吽を長々とお話してしまいました。

 

実は、私の師匠の稲越先生は、自らを「イナさん」と呼称して欲しいと言われ、会員に対しても、肩書や本名ではなく、愛称で呼び合うことを提唱され、実践されておりました。例えば「ヨシさん」「ナカさん」「ヒロさん」「クマちゃん」等々。多分、大袈裟に言えば、万有愛護の大精神に基づくものなのではないか、と思います。

私の愛称は「モリさん」です。

 

今後は、※※さんは「リョウさん」、☆☆さんは「シンさん」と愛称させて頂いて宜しいでしょうか。

 

他の愛称をご希望の場合は、仰ってください。

 

リョウさん、シンさんへ

                     モリより

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